ゼロ - 何もない自分に小さなイチを足していく -

堀江貴文の「ゼロ - 何もない自分に小さなイチを足していく」を読んだ。ライブドアの元社長で、当時は時代の寵児と言われていたことは記憶している。その時は確か楽天三木谷社長のことを強烈にバッシングしていて、ラフな格好の起業家ホリエモンと、ビシッとしたスーツ姿の起業家三木谷という構図だったと思う。もう10数年くらい前だったと思うけど、その時はホリエモンに好感は持っていたけど、特にその人物像にまでは注視していなかった。この「ゼロ」を読んだきっかけは、書店でホリエモン著の「多動力」という書籍が並んでいて、ふと手にとって読んでみたら、じわじわと心に刺さるような考え方や共感できる内容が書かれていて、それ以降ホリエモンの考え方に興味を持つようになった。「ゼロ」にも共通して書かれていることだが、基本的な彼の思想は、とにかく情報収拾と行動力に尽きる。やりたいことは「全部やれ!」精神だ。

 

 

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

 
多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

 

 

自分は天才ではない

堀江氏は専門を極めるようなエキスパート、あるいは自分が天才ではないと正面から受け入れていて、だからこそ会社を作って優秀な人材を募り、自分の欠けた部分を補ってもらっている。この考え方はエンジニアの私にも共通するところがある。私は工学系出身のプログラマーではないため、エンジニアとしては純粋培養ではない。その点はコンプレックスでもあるが、だからこそエンジニアとディレクターの狭間で上手く立ち振る舞おうとしている。

 

ゼロをイチにするたった一つの方法

ゼロの状態からイチを作り上げる、つまり何もない自分に小さな「イチ」を足すためには、自分を知ることである。そして自信を持つこと。ここで重要なのは掛け算をしないこと。ゼロに何をかけてもゼロだからだ。この掛け算と足し算の違いは、焦りだと思う。誰しも結果が早く欲しいし目に見えた成果をすぐに手に入れたいものだ。だからすぐに応用へと走るが、大事なのは「基礎」だ、ということに気付かされた。基礎が固まれば、小さな成功体験を得ることができる。例えば、プログラムでボタンを押して行くたびに数字がカウントアップされ、10になると画面の色が変わるといった程度のほんの小さなことだと思う。ただ、このボタンのカウントアップで色が変わるまでには、変数の定義や関数の定義など基礎が土台となっているはずだ。見栄えなんか気にしない。ゼロより格段にマシである。そうして「やるじゃん!オレ!」という小さな成功体験を積み重ねていくと、自信に変わる。ただ、面白いのが、堀江氏が会社を立ち上げたばかりの頃は、強気にハッタリをかまして、技術的に可能か分からない案件まで引き受けてきて、受注してから書店に走ってリサーチしていた点だ。現代のスタートアップも実は同じ状況だろう。