「How Google Works」を読んで

ブログをチェックしていると、「How Google Works」という本がおすすめという方がチラホラいたので試しに読んでみた。私の勝手なGoogle像は、陳腐な言い方をすると神様みたいな存在である。そして、Googleが同じ競争相手として横に並んでいたら、スタートをきる前に諦めてしまう。それ卑怯やんって感じで。でも、赤子がいつの間にか立って歩いているのと同じ感じで、いつの間にかGoogleが席巻しているので、実はなぜGoogleが生まれて今日に至るまでに成長したのか、などが分かっていなかった。この本では、Googleでの働き方や優秀な人材の雇用方法、サービス提供までの内部事情などが記載されており、Googleの実態を垣間見ることができる。

  

 

 

Googleのコアは検索技術にある 

Googleのコアは検索技術にある。本を読んで驚いたが、Google検索はかなり後発の方で、当時はマイクロソフトがWeb業界を席巻していた時代だ。なので、当然だがGoogleが全てを創造した訳ではない。この点は私の中でかなり大きなポイントであった。すべてのサービスに対して創造主であると思い込んでいたGoogleも、実は新参者として業界に殴り込んで行った企業の一つであったということだ。ただ、創業者のラリーペイジは「検索の精度」をあげることが収益につながるという強い確信があったようだ。そして、検索の精度が上がるにつれて徐々にGoogleの認知度も上がって行った。2010年あたりまでは強い勢力を誇っていたマイクロソフトインターネットエクスプローラーGoogle Chromeの登場で王座から陥落した。このGoogleが起こしたジャイアントキリングは、のちにブラウザ戦争とまで言われるようになっている。

 

ラーニングアニマルを採用する

この言葉を聞いてすっかり気に入ってしまったが、Googleが喉から手が欲しい人材は、なんでもできるスーパーハッカーではない(そんなハッカーはきっと人の下につかずに起業してるだろう)。変化を恐れず学習を続けるマインドを持った人材だ。そして、学習を楽しむ力を持っている奴、失敗を恐れない奴を総じてラーニングアニマルと呼ぶらしい。会社の命令ではない勉強会や研修会にいそいそと参加している人、そしてそれが楽しくて仕方がない人はラーニングアニマルだろう。最新技術にキャッチアップできない!と焦っている人や、同僚を出し抜きたいとか打算的に考えている人はただのスノッブアニマルだ。もう勉強が好きで好きでたまらなくて、休日出勤したり同僚から「お前そんなに仕事が大変なのか?」と心配されるくらい深夜まで事務所にこもって勉強漬けになってる奴はGoogleから寵愛を受けるだろう。

 

OKRというプロジェクトマネジメント手法

このOKR(Objective Key and Result)という言葉も初めて知った。要は目標値を設定して、結果にどれくらいコミットしたかということだが、Google流の目標設定方法は測定可能性の高い内容にすることである(以下に例として引用する)。

 

ジュピターではW個の新システムによって、X個の大規模サービスの大量の大量のトラフィックを処理し、稼働率Y%の時にレイテンシーZマイクロ秒以下を達成する。

 

 つまり、曖昧な設定にしないということだ。そしてもう一つ目標設定で条件がある。それは達成できるかどうか分からないくらいに発想を大きく、難易度を高く設定することだ。OKRで算出した達成度がどのプロジェクトも100%だと、そのプロジェクトは何の野心もないことを意味する。達成度が70%くらいがちょうど良いらしい。

 

Googleだって失敗してるし、どの企業とも同じように他企業と差をつけようと試行錯誤している。ただし高次元で。でもそう考えると、Googleも一つの企業であるということがこの本から透けて見えてくる。